薬や手術に頼らず、カラダの不調を整える方法として、何が考えられるでしょうか?
ここでは3つの方法を上げて、その順序を考えてみたいと思います。
①オステオパシーをはじめとした、徒手療法(整体,鍼灸,カイロプラティック等)
②運動療法
③食事療法
さて、これら3つの方法を併用することはもちろん可能ですが、何から始めれば一番いいでしょうか?
オステオパシーを実践する者(オステオパス)として、ひいき目かもしれませんが、私は先ずはオステオパシーなどの手技療法をオススメしたいと思います。
上記の絵はカラダを車に例え、上記の3つの方法を視覚的に表してみました。
赤い車はタイヤはパンクし、燃料であるガソリンもあまりいいものが使われていないで、運転手も運転がうまくありません。
オステオパシーはスティル先生も「身体の整備工」と表現されるように、先ずは身体の80%の体積を占める、筋肉や骨格(筋骨格系)にを整えることを行います。
車の例えで言えば、パンクした穴を塞ぎ、空気圧を調整し、歪んだフレームやサスペンションを正常な状態にします。
どんなに良いガソリンを入れても、それらの機構が正しく働いていなければ、意味をなしません。
また、正しく動く事ができない車では、いくら運転技術があっても、そのちからを発揮することも難しいかと思います。
実際のカラダにイメージを戻し、考えてみましょう。
食事療法をする上でも、腸の運動を司る自立神経系である、交感神経は主に胸椎と腰椎、副交感神経は首の付根と仙骨から出てきます。
それらの部位が傷害され、とくに長い時間が立っている場合、胃腸の中は炎症を起こしていたり、動きが悪くなり、正しい消化吸収能力を失ってしまいます。
そこにどんな良い食事や、サプリメントが入ってきたとしても、吸収することができなければ意味がありません。
オステオパシーの治療は、腸の状態を機械的な問題から開放することで、食事療法が正しく働く下地を作ることができます。
また、ヨガやピラティスでも同様に筋骨格系を主に運動を用いて、正常化しようとしますが、非常に固くなった関節は、そう簡単にご自身の意図通りに動くことはできなくなっています。
そのような状態でポーズや運動の形や動きだけを真似てしまうと、結果的に動かないところは動かさずに、動くところをより動かしてしまうという問題に陥ってしまいます。
これはハイパーモビリティー(過剰運動)と呼ばれ、動かない関節よりも改善することが少し難しい問題を生じることになります。
このように、栄養療法や運動療法をするその前に、カラダの構造を整えることをするほうが、私は効果が高いと考えています。
3つの療法は上手く併用することで、より高い効果を生み出すことができると考えています。
各専門家と連携を取ることやオステオパス自身がある程度、栄養療法や運動療法の知識を得ることもまた重要かと考えています。
MORE COLUMNS このカテゴリのコラム
-
患者Kさんからのお礼のお手紙
2024.08.16
-
目の前の患者さんは、動きのある生命体である(臨床家向け)
2024.07.14
-
温故知新。歴史と伝統の中で感じたこと
2017.12.07
-
不整脈とオステオパシー(施術事例紹介)
2024.08.06
-
身体の循環について
2018.01.04
-
変形性股関節症の保存療法でオステオパシーが貢献できる3つの理由
2017.06.10
-
外傷性脳損傷とオステオパシー①
2015.08.02
-
施術事例紹介 〜頭痛、倦怠感、肌荒れ〜
2024.07.09
-
内臓由来の腰痛
2018.01.09
-
スポーツ障害におけるオステオパシー
2024.08.10