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スポーツ障害におけるオステオパシー


オステオパシー院にはスポーツ活動中に起こった怪我・障害を抱えた方が来院されることは珍しくありません。

海外のオリンピック選手によってはオステオパシー医師が帯同するということもあるようです。

 

国内ではスポーツで怪我をした際に一般的に受診する機関として整形外科が挙げられます。例えば関節の捻挫をした際に整形外科で医学的診断、アプローチが施され、禁忌でない場合は理学療法士のリハビリ、アスレチックトレーナーや整骨院でのケア等の選択肢があります。

ではオステオパシーによるスポーツ障害におけるアプローチとはどのようなものでしょうか。今回はその考え方についてご紹介したいと思います。

 

オステオパシーの定義:オステオパシーは人体の各部位の構造、機能及び人体を構成する部位同士の関係に関する知識であり、人体が調和して働くことを妨げる全てのものに対し、調整及び矯正を行うために用いられる。

―「オステオパシー医学の思想」より抜粋

 

さらにオステオパシーの創始者A.Tスティルは「オステオパシーとは、解剖学と生理学の知識を、緊張、衝撃、転倒、または身体の機械的障害やあらゆる種類の損傷によって病気になったり負傷したりした人に適用できるものである」と言っています。

 

上記から読み取ると、オステオパシーにより、スポーツ時に起こりやすい捻挫、打撲、筋疲労・損傷、骨挫傷、骨折、脱臼などの状態に対しアプローチすることが可能と言えると思います。

 

私はこれまでクラブ活動を行っている子ども〜プロスポーツ選手まで多数の症例を診させていただきました。

その経験を基にオステオパシーによりスポーツ障害の「治癒を早める」「スポーツのパフォーマンス向上」「再発の予防」「怪我による心理的ストレスの軽減」が見込めると考えています。

 

特筆すべきことは、オステオパシーにより「治癒を早める」見込みがあるということです。

捻挫した関節周囲のリアライメントや血流の正常化、さらには全体的な身体力学の評価、施術を行うことで治癒に向けた最適な身体の状態へと導きます。それにより患部の治癒の促進のみならず、怪我の再発防止、痛みの軽減による心理的不安を軽減する可能性があります。

 

 

私自身、小学校から始めたバスケットボールで、複数回の足首捻挫や膝、腰の慢性的な痛みを抱えながらプレーをしていました。高校生の時には腰痛によるドクターストップで数ヶ月間運動が出来ず辛い思いをした経験があります。今考えてみると「その時にオステオパシーに出会っていたら・・・」と切に思います。

 

早期復帰の可能性があるなら、藁にもすがる思いで「早く良くなりたい」と思う人はたくさんいると思います。

実際に関節捻挫をして直近の大会出場を諦めかけていた人が、オステオパシーにより痛みを感じずに出場出来るようになる例は少なくありません。(捻挫により組織が傷んでいるのには変わりないので無理は禁物です。様々な状況を考慮して出場できるかの判断が必要になります。)

 

現役のスポーツマン、または保護者の方には適切な知識による「オステオパシーの選択肢」も持っていただけたらと思います。

AUTHOR この記事を書いた治療師