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オステオパシーの施術をしていて、「オステオパシーとは何ですか?」とよく聞かれます。

 

オステオパシーを学べば学ぶほどその問いに答えることの難しさを感じます。

 

例えば、身体はシステム全体として働いており、症状がある部位だけを治療するのではなく、関節や臓器の位置、軸が保たれているのか、またその部位への血流や神経の伝達は妨げられていないか等、解剖学や生理学をもとに判断し施術します。

併せて、その方のマインドとつながり、「その人の生命にコンタクトする」ことも重要であると考えています。

 

オステオパスは解剖学、生理学の重要性を学びます。それは骨や筋肉、内臓などの位置、可動性、生命力、その形が健全かどうかを知る上で重要です。それと同時に生命としてのその人自身とのコンタクトを学びます。

 

オステオパシーの偉大な先人たちがそのことについてたくさんの言葉を残してくれています。

 

オステオパスになるということは、単に知識や特定のスキルを身に着けるということではない。オステオパスへの道は、患者や患者の奥深くに潜むあらゆるものと共鳴することのできる、直感的で鋭敏な道具になるための発達のプロセス全体を指します。つまり、患者個人の深いニーズに応えることができるようになることをオステオパスになるというのです。     

ヴィオラ・フライマンD.O.

 

術者の意図やスピリットが、患者さんに対して関心を持ち、そうすることで患者さんの マインドを目覚めさせる。そうすると生理的な機能が増大する。

オステオパシーの創始者であるアンドリュー・テイラー・スティルは、「マインドというものは、生理の動的な動力学だ。」と言っています。

(マインドは)生理の統一された、整合性のある力を呼び覚まし、生命力を制御し、賢明に管理する。              

フィリップ・ドゥリュエルD.O.20254月セミナーにて)

 

そしてアンドリュー・テイラー・スティル自身の記述の中にも決定的に上記の重要性を示すものがあります。

私⾃⾝これらの意味を10年前より理解し、実践していることに歓びを感じています。そしてそのことを多くの患者さんに⾔葉で伝えたいという意味では、簡単ではないと感じています。

 

そこで、⾎液や⼼臓など、身体をどのように診ているかお話します。

 

⼼臓には物理的、⾝体的な役割、⾎液とともに⽣理的な⼼臓もあり、電気を発電する電磁的な⼼臓、ストレス、メンタル、感情と関係のある⼼臓。

そして⼀番重要な、その⼈の存在そのものを表現する個⼈の意識と関係する⼼臓があり、これら5つは互いに情報交換をしています。

 

そしてロバート・フルフォード博⼠は「呼吸」に対してもこのように仰ります。

 

ひとつ呼吸をするたびに、⼈は同時につぎの四つのプロセスをおこなうことができる。

それらは物理的な呼吸、呼吸の型、いのちの呼吸、光の呼吸である。

著書『いのちの輝き』

 

著書や彼⾃⾝の講義の中で「呼吸はこころにつながる唯⼀の重要な整理機能である」という⽂章があり、その「こころ」という単語は⽇本語に翻訳せずにマインドとそのままで読み、アンドリュー・テイラー・スティルが⽰したマインドの「意味」に照らして考えるとより理解が深まります。

 

そしてこれらは⼈体の発⽣学を通しても説明ができると思います。

例えば、⾎管の発⽣は受精卵が⼦宮に着床し、⺟体側から極性の現れでもあるcurrent(流れ)が胚の外胚葉と内胚葉の間に流⼊します。

受精後約48時間で胎児の中の細胞の⼀種が嚢胞 (ブレヒシュミット博⼠はこれを⾎島ではなくcyst-嚢胞と呼ぶ)になり、たくさんの嚢胞が current(カレント)の中で数珠のように繋がり、ポリスティック⾎管(多嚢胞性)となる。それら⼀つ⼀つが代謝を⾏うことで嚢胞の周りに新たなcurrent(カレント)が⽣じ、それらが⾎管の内膜になり、線維を含む流れは筋膜となり動脈、静脈、⽑細⾎管、リンパ管となる。

そういう中で今の医学同様に、⾎管の硬さ、動脈硬化や静脈瘤、むくみなどの症状も診ながら、同時に⽣命としてのcurrent(流れ)にもが着⽬し、その流れや軌道はブレヒシュミット博⼠が⾔うように、「⽣後も⽣きている限り存在し続ける」という意味で⽣命の⼀つの現れとして 理解しています。

 

フルクラムオステオパシースタディーグループでのセミナーの際に必ず意識することは、教わったテクニックを施す際に「相⼿のことを想う」という⾏為で す。

この意識で驚くほど感覚が変わることを、フルクラムのメンバーは経験し実践しています。

 

2025年4⽉に⾏われたフィリップ・ドゥリュエル先⽣のセミナーで仰られた

『(⾃然や ⽣命⾃体も不可知なものであるが)⾃然や⽣命の背後に隠されている何かと関わりを持つ』

という話は、グループの⽅向性に確信を頂いた印象深いお話でした。

 

今後も患者さんや、これからオステオパシーを学びたい先⽣⽅に、今現在の私、そしてグループでのセミナーを通じて多くの⽅にオステオパシーを伝えていきたいと思います。

AUTHOR この記事を書いた治療師