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施術事例紹介 〜頭痛、倦怠感、肌荒れ〜


【主訴】

女子中学生の頭痛、倦怠感と肌荒れ

 

【症状等】

通学に1時間15分ほど電車に乗りその途中で気分が悪くなり、腹痛の様な症状も度々出る。

最近、頭痛や空咳、頬から口の周りのニキビ、肌荒れが酷い。

 

【問診】

問診により、中学2年生から3年生に上がって環境が変わった。

月経も不規則で月経痛もある。

食事のバランスが悪く毎日甘いもの(ドーナツ、グミ、アイス、ジュース)は欠かさず摂っている。

症状が酷くなる前にインフルエンザに罹ったことがわかりました。

 

【オステオパシー的所見】

触診により患者さんの体を傾聴した結果

子宮、小腸、脾臓に炎症があり、肝臓が鬱滞していることがわかりました。

 

【考察】

これら臓器と皮膚、血流の関係を説明します。

まず口内炎や口の周りにできる吹き出物は胃の調子が悪いからと聞いたことがあるかと思いま す。それは正しいことです。

もう少し詳しく発生学的観点から説明すると、鼻、口、顎の辺り、首、肩、腕の外側、脇腹、鼠蹊部などの皮膚と消化器の粘膜は発生の段階で同じ環境の空間で代謝し成長するということです。 細胞が同じ場所で栄養を吸収し、また老廃物を排出しながら成長しているということです。

これらの部位の皮膚と消化器官の粘膜は鏡写しの関係ということなのです。 皮膚の炎症などは腸内環境が良くないと言うことも言えます。

そして血流の観点から頭痛と倦怠感を説明しますと、まず静脈というのを電車の路線図に例えて説明すると3つの線路から成り立っています。普段はそこを血液が行ったり来たり、時に留まったり必ずしも身体中を絶えず循環している訳ではありません。 そして3つの線路はある場所では連結しています、これを解剖学では吻合といいます。

この場所に問題が起きると血液の鬱滞が生じ炎症が起こります。小骨盤、腸から、脾臓の静脈はすべて肝臓の門脈という場所に入ります。

肝臓は例えるなら大きな駅になります。そこで鬱滞が起こると子宮や小腸、脾臓の血管に鬱滞が生じ炎症が起きやすくなります。

 

この患者さんの場合、インフルエンザに罹り薬を服用したことにより肝臓に負担がかかりこの様な症状が出たのかもしれません。

そして月経時の頭痛も月経の時に子宮辺りの静脈が膨張し、大静脈系に血液が溜まりこの圧力が 脊椎の静脈(別の線路)に逃がされ頭蓋内の圧力が高まった結果頭痛を引き起こしてしまっていると考えます。

本来なら脊椎の高まった圧力は吻合を介し先ほどの門脈系(また別の線路)の線路に逃してあげ られるのですが、今回の様に肝臓に問題があった場合はそこは難しかったのです。本人は空咳をすることで無意識に横隔膜を動かし、肝臓の鬱滞に抵抗していたようです。

実際肝臓の鬱滞を解放してあげることで総ての線路の停滞が無くなり肌荒れ、頭痛、腹痛、倦怠感が無くなった症例です。

 

※甘いものは(糖質)は炎症を引き起こす原因になり、毎日摂る習慣を見直してもらう様に説明させていただきました。

AUTHOR この記事を書いた治療師