「身体」、「心」、「精神(魂)」、この 3つが相互関係を持っているという原理原則がオステオパシーにあります。この原理原則はオステオパシーに限らず、他の哲学や教義でも目にすることがあるので、ある種、普遍的な原則だと思います。
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今年の5月から6月にかけて、所属する F.O.S.G (Fulcrum Osteopathy Study Group)の研修でカナダのモントリオールに行きました。その土地の文化や歴史、そして自然に触れる目的で、研修の合間に複数の建造物や施設を回りました。
その中で 1番印象に残った場所が「セントジョセフ礼拝堂」でした。
カナダは全体の 70% 以上がキリスト教徒ということもあってか、礼拝堂を訪れている最中も祈りを捧げる人が後をたちませんでした。そして、その空間にいるだけで不思議と静謐になる感じがして、その 2か月ほど前の出来事をふと思い出しました。
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3月11日、震災が起こった時間、偶然に鎌倉の長谷寺にいました。震災の時間が来ると鐘が響き渡り、そこにいるすべての人が黙祷を捧げていました。ザワザワしていた場の空気が一瞬にして静寂に包まれる、それはとても素晴らしい経験でした。
2か月前に感じた感覚に近いものを異国の地で再度経験する。そして、参加した研修の内容も、これら経験に通じていたものでしたので、いろいろな出来事に巡り合わせを感じていました。
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セントジョセフ礼拝堂はフレール・アンドレという修道士の大きな影響力が働いていました。修道士の祈りを求めて各地から信者が数多く訪れるようになった為、より大きな礼拝堂が必要となったそうです。そして、経済恐慌を乗り越えて大聖堂が建立されました。
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大聖堂も印象に残っていますが、大聖堂から少し離れたところにある礼拝堂も印象に強く残っています。
一見すると田舎町にあるような小さな教会のようでした。同じ敷地内ですが、大聖堂から少し離れたところにあるので、この目立たない小さな礼拝堂に立ち寄る人は少ないように見えました。
1階が小さな礼拝スペースで、2階がフレール・アンドレ修道士が生活されていたと思われるスペースでした。フレール・アンドレ修道士が富や名声、物質的な欲を求めず、他者のために祈ることに生命を捧げていたことが部屋を見て理解することができました。
写真だと少しわかりにくですが、1階の礼拝するスペースの両サイドに大小多くの松葉杖が立て掛けてありました。この松葉杖は「祈り」によって歩けるようになり、不要となった松葉杖でした。
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祈り。目に見えない力との繋がり。
「神の人」とも呼ばれていたフレール・アンドレは『魂が病気なら、まず魂を治さなければならない』と述べていたそうです。
目に見える物質的な側面だけで成り立っているのではなく、「身体」、「心」、「精神(魂)」が相互に繋がり、そして調和を保っている。その前提において考えてみると分かり易いかも知れません。
朝から晩まで仕事で忙しく、脳がフル活動していて、常に心がざわついている。そのような時間が長く続けば続くほど、相互関係にある物質的な肉体に、その影響が及んでしまいます。
不調の原因をインターネットで検索したり、他の人と比較することに時間を使うよりも、喧騒から少し離れた環境に身を置いて、心静かに時間を過ごすことが何よりも大切ではないでしょうか?
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